紅茶

燃ゆる女の肖像の紅茶のネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

劇場で観たかった!!!!!!
完璧な構成、完璧な配役、
完璧な美術でした。
劇中画はダメだとがっかりなんだけど、この絵はよかった。
音楽も美術も、彼女たちが読む本の物語も、使われるひとつひとつが輝くピースで、すごい映画。
あまりに美しすぎて気まずくなるほどだった。
なんという終わり方なのか…
初めての体験だった。

【以下ネタバレ】

“愛されただけで十分だった”

「彼は我慢するよりも別のものを選んだー
妻の思い出よ
だから振り返った
夫じゃなく詩人として選択した」/マリアンヌ

「〝振り返って私を見て〟と妻が誘ったのかも」/エロイーズ

エロイーズの求めに応じて振り返ったマリアンヌ(画家として思い出を選択した)

愛する人を奈落に落とさないために振り返らなかったエロイーズ
(ソフィの言うもっともまともなオルフェウス)

そのふたつを、
それぞれが相手の選択を清々しく受け入れて自分の人生を生きている。
こんな成熟した愛の物語があったんか…という…

お互いに、お互いを知らずに死なずに済んでよかったね…という、魂を見つけ合う喜びの話だった。
エロイーズの、徹底した平等の思想がまた魅力的。

振り返らなかったオルフェウス(エロイーズ)は、また妻(マリアンヌ)に逢えるかもしれませんね。
そんな含みまで感じる完璧なラスト、そして、
エロイーズの、横顔で語るすごさよ。
さらに最高なのは、二人とも現在幸福であること。

なんだかポカホンタスの名言
「君を知らずに100年生きるよりずっといい」
を思い出しましたよ。
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