ユカートマン

キーパー ある兵士の奇跡のユカートマンのレビュー・感想・評価

キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)
3.8
今年のユーロで頑張っていたドイツ代表のハヴァーツくんがチェルシーでプレイしてるけど、それよりもうんと昔、まだ戦争の記憶が生々しく残っていた時代にイギリスで初めてプレイしたドイツ人キーパーの話。実在した人の人生を描いた作品なのでこんなこと言うのは本当に失礼ですが、とんでもない鬱映画。トラウトマンの人生が悲惨と言いたい訳ではなく、脚本が本当にダメだった。主人公が戦争中に負ったPTSDとして表象されるユダヤ人の子供が小汚くてちょくちょく出てきて怖いし、なぜ明るい未来が待っていた夫婦のどん底の時期をラストにしたんだろう。戦争、捕虜生活、選手生活、差別、PTSD、家族の不幸と盛りだくさんでまとまってない感じがした。鏡越しにダンスに誘うシーンがすごい可愛くて好きだった。ジョジョラビットもそうだけど戦争に翻弄されたドイツ人の人生を描く英語圏の作品が増えていて、それはすごく良いことだと思う。戦争に勝った連合国の人たちだけが被害者なのではなく、日本人もドイツ人も被害者な訳だし。

彼の壮絶過ぎる人生に敬意を示したいので評価は高めにします。
ユカートマン

ユカートマン