このレビューはネタバレを含みます
長年の夫の不倫が2人の間で明白にされたことがキッカケではあるけれど、妻が一番不満だったことを自分から口に出して自身の心に整理がつけられたのは彼女にとって良かったと思うしカタルシスを感じた。その意味で、田舎町ボリでの体験は“ひとりだち”の始まり=通過点に過ぎないのだろう。
ただ、特別な技能はおろか職歴もない老いた余所者の女性(63歳)を、すんなり受け入れられるほど田舎町には余裕がないのではないだろうか。地元民に受け入れられるまでの描写が浅くてどこか嘘っぽく感じてしまった。主婦業を完璧にこなす彼女の良さがこの町にフィットし、此処で必要とされる人物となっていくエピソードを先ずは見せて欲しかった。彼女に言い寄る警官も単に女好きのイヤらしい男に見えてしまうのもその為だろう。冴えないサッカー・チームを立て直す話は自分の中ではちょっと食傷気味になってきてはいる。
字幕翻訳は中沢志乃氏。字幕監修にオスターグレン晴子氏。