散歩

レ・ミゼラブルの散歩のネタバレレビュー・内容・結末

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

スパイク・リーにそれほど通じていない自分にとって今作はフランス版『シティ・オブ・ゴッド』と呼ぶべきか、それとも(ラストだけだけど)フランス版『ザ・レイド』と呼んだ方がいいのか。とにかく、脚本・撮影・演技、どれをとっても素晴らしいとしか言いようがなくて、ラスト1秒まで緊張が全く途切れない。アカデミー賞における『パラサイト』の偉業に対しての異論は全くないけれど、国際長編映画賞は今作にしても良かったんじゃないか、とも思う。ヘイトや暴力や恥の連鎖、そして継承をこれでもかというくらいに残酷に描き出してはいるけど、子供たちに対する視線はどこまでも優しいものであることがよく分かる。エンドロール中ずっと冒頭の事を思い出していたんだけど、「同じように人が集まって煙が上がったりしてるけど、最初はみんな笑ったり歌ったりしてんだよな・・・。」とか思うとちょっとどうしようもない気持ちになる。そして心はずっとあのラストシーンに捕らえられたままだ。多くの人に観てほしいけど、現状では拡大公開しても人が集まらないので、いつか学校の特別授業とかで流して欲しいな、結構マジで。
しかし、全体的に撮影が本当に素晴らしかったけど、ドローンが中小規模映画にもたらしたものって本当に大きいんだなあって改めて思った。あと、ライオンのシーンがちょっと恐すぎ。
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