フランスの郊外のモンフェルメイユという町。移民も多く、低所得者が多く、荒れている。コの字型の大きなマンションが印象的。おしゃれなフランスのイメージは出てこない。
監督はこの町で生まれ育ち、現在も暮らしているらしい。
この町をパトロールしている警察と暮らす市民たち。一触即発の状況がしばらく続くが、先に警察が事件を起こしてしまう。
そのからストーリーは転がり始める。事件を隠蔽しようとする警察。仕返しをしようとする子どもたち。
事件が解決し、警官それぞれが家族に会う（電話）シーンがとても良かった。これで終わるかと思ったが、クライマックスの暴動が待っていた。かなり大掛かりな暴動に発展し、これが子どもたちのリベンジだと思い、警官は命の危険を感じ始める。いや恐ろしいよ。
文字通り事件の引き金を引いたのは、警官の方で、そりゃ子どもたちも悪いが、この環境ならこうなるかと思わせる。
ラストカットでどちらに転ぶか見せなかったことが、唯一の救いだった。いや救いはなかったかもしれないが、観客の想像に委ねている秀逸のカットだった。
監督のラジ・リは、この作品が長編初作品とか。この監督要チェック。
