順慶

オッペンハイマーの順慶のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
アメリカ公開から8ヶ月遅れて日本で公開。 
原爆の発明という題材に、日本人にとっては、とてもセンシティブな内容であったことは間違いない。が、知っておきたい事実でもあった。

原爆はオッペンハイマーによって発明され、その結果、広島・長崎に原爆が落とされたという事実はみんな知っている。だから物語が進むにつれて、タイムリミットを感じた。

あの実験の成功のシーンは、なかなか複雑な心境で見ていた。
オッペンハイマーがいなければ、日本に原爆を落とされることはなかったと思うと。さらには原子力発電は? 
いま1万発以上の核が世界にある(米露だけでも)という現実の発端がここかと思ったりもする。

オッペンハイマーがいなくても、早かれ遅かれ作られたのだろうけれど。
実験が成功して、すぐに広島に実践しているのには驚いた。
実験が7月16日で、広島投下が8月6日である。
映画のセリフにもあったように、原爆で戦争を終わらせることができたという考えも複雑だった。

その直後に開かれた会見のシーンは印象的だった。聞いているみんな足で踏み鳴らしている音がすごかった。歓迎されるオッペンハイマー。しかし、オッペンハイマー自身は、自責の念に駆られている。

で、映画としてだけど、正直前半はかったるかった。登場人物が多くて、わからないところも多かった。恋もあるけど、盛り上がってくるのは、実験のあたりから。
その後のオッペンハイマーの苦悩も。
いわゆる赤狩りにもあっていたとかと。共産党組合ってそんなに多くいたんだと改めて感じた。

持ち上げられて、落とされたオッペンハイマーの生涯。アインシュタインがいい感じだった。あんな交流あったのか?
順慶

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