クリーンなバイオ・ラボで繰り広げられる心理スリラーとSFスリラーのブレンド。冷たく無機質な映像が印象的。予想以上に科学パートがしっかり作り込まれていた。
サイエンティストたちが着る白衣が淡いグリーンで様々な赤色の映像と良いコントラスト。ときどき鳴り響く金属的で耳障りな効果音は映画に載せられない“匂い”を表現しているのではないだろうか?上手い演出だなと思った。雅楽のような劇伴も新鮮。ただ日本人である自分の耳には(多分、狙っているであろう)不穏感はあまり湧き起こらなかった印象。
この植物“リトル・ジョー”が人の感情を操る方法と目的がなるほどと思わせてくれた反面、肝心の目的を達成していない(植物が)ところが完結しておらず悔しい。そこまで映像で描写できていたら相当な恐怖を感じられたと思う。
ベン・ウィショーの演技を見ていて役と俳優とのジェンダーが一致していることが当然であるように、性的嗜好も一致しているべきだとつくづく思った。クリスがアリスにアプローチする演技が何となく不自然に映ってしまったので。