あんず

マティアス&マキシムのあんずのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.7
これは、紛れもなく── 恋。


いつもドランが描く母親との関係や性に苦しむ姿よりも、今回は友情と恋の狭間で悩む姿がメインだったように思います。

今までのような息を飲むほどのパンチはなかったけれど、いつも友人に囲まれていても独り悩む姿は、私たちが抱える迷いや日常に近づいたようでより一層身近に感じました。

友情が壊れてしまうくらいなら、自分の気持ちに気づかない振りをしたり、そのままの友人関係を望んだりする。
マティアスとマキシムの葛藤する姿の違いが印象的でした。

閉じ込めていた感情が溢れ出たかのようなキスシーンがとても官能的で、ダイレクトに撮されるよりもガラスに透けてみえる撮り方の方がとても柔らかくて美しかったです。

ただ映画本編よりも予告の方が素敵で好きだったかも。

映画の余韻に浸っていた帰りに知らない人からお茶に誘われました。
丁寧にお断りしましたが、私 まだいけるかもという謎の自信がつきました。
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