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その手に触れるまでのdaradaraのレビュー・感想・評価

その手に触れるまで(2019年製作の映画)
5.0
\2020年、年間ベスト映画!/

盲信の先の排他的行動

純粋無垢であるが故に疑いを知らず、隣人を傷つけていくその行いは誰が為に。

ロベール・ブレッソン『抵抗』を想起させるシークエンスにドキッとした。
「静」の中に微量、確実に存在している「動」の感触。禁断の瞬間を見てしまった緊張感と緊迫感に圧倒された。

アメッドが文字通り転落し救いを求めた先、それこそが答えだった。そして本心だった。

ダルデンヌ兄弟の現実へ向ける厳しい眼差しと理想を願う細やかでいて優しい眼差しが交わり、ドキュメンタリータッチでありながら計算された劇映画を成している、まさに偉業。

しかも、それをたったの84分で。惚れ惚れダルデンヌ兄弟。


2020.6/12、7/23、劇場鑑賞。DVD購入済。
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