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ANNA/アナのkumadaのレビュー・感想・評価

ANNA/アナ(2019年製作の映画)
3.8
 リュック・ベッソンって「レオン」と「ニキータ」しかまともな映画がないと思ってたけど、これは面白い。主人公アナをスカウトするシーンや初仕事の場面でアナの退路を意図的に絶って苦境に陥らせる場面、上司の男性に心を寄せる展開は「ニキータ」を彷彿とさせます。

 サイレンサー付きの拳銃で無駄なく瞬殺していくシーンはとてもスタイリッシュです。アナ役の女優さんのスタイルがモデル級なので、ひとつひとつの立ち居振る舞いがとても様になってます。

 この物語の大きな特長は、ひとつの出来事を2つの視点で見せるところ。最初に、出来事の始点から終点までの外面だけを見せます。その後すぐに時間を巻き戻しその出来事の裏で行われていた取引を描きます。このパターンが繰り返されます。

 終盤の公園でのシーンも「ニキータ」とそっくりです。アナが愛した二人の男性が向かい合う場面ね。「ニキータ」のラストは湿っぽさを感じたけど、こちらの映画ではカラッと乾いた爽快さを感じました。アナと同居する女性がとても可愛かったです(笑)。KGB長官の席に座ることになる女性も良い味出してます。

【ここから追記】
 2023/1/9に2度目の鑑賞。今回の戦争でロシアは西側が思うほど軍事大国ではないことが暴露されました。戦い方も第一次世界大戦の頃のような戦法です。戦う動機も愛国心ではなく私利私欲のためです。今後、映画におけるロシアの扱われ方も変わるでしょう。
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