rage30

ANNA/アナのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ANNA/アナ(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

KGBの暗殺者になる女性の話。

冒頭の30分で主人公の現在から過去を一気に紹介してしまう、異常なテンポの良さに思わず苦笑。
この軽さが、良くも悪くもヨーロッパ・コープの作品っぽいんだよな~。

女暗殺者を描いた作品という事で、気になるのがアクションシーン。
リアルさ重視というよりは、ケレンミ重視な感じで、小気味良いアクションの連続はなかなか楽しめました。
ツッコミを入れる暇を与えないというか、勢いで見れてしまう感じ。

物語面に関しては、普通。
天涯孤独な女が秘密組織に拾われて殺し屋になる…という設定はベタベタだし、最終的に組織を裏切っていく展開もありがちで、新鮮味はほとんどない。
一応、時系列を入れ替える事で、興味を引く作りにはしているが、何回も同じパターンが繰り返されるので次第に飽きてくる。

折角、ルーク・エヴァンスやキリアン・マーフィーら有名男優を使っているのだから、もうちょっと恋愛描写をじっくり描いて欲しかったかな。
主人公が2人に惚れる理由がイマイチ分からないし、彼らの関係に説得力がないので、終盤の展開も大して盛り上がらず…。

ただ、ラストのオチとなる部分は良かったと思う。
劇中で、ブスと言われたり、お局様扱いされていた、ヘレン・ミレンの逆襲は痛快。
自由を求める主人公と仕事に生きるヘレン・ミレン。
2人の生き方を対立させるのではなく、どちらの生き方も認めてあげる結末はフェアで心地よいものがありました。

特にクオリティーが低いわけでもないし、テンポも良くて見易いので、時間潰し的に見る映画としては十分楽しい作品でしょう。
その反面、目新しさだったり、深みはなくて、映画ファンほど敬遠しちゃう作品かもしれません。
それにしても、リュック・ベッソンは女暗殺者が本当に好きなんだな~。
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