「ニキータ」「レオン」「ＬＵＣＹ／ルーシー」等の戦うヒロインを主人公にした作品を多く手掛けるリュック・ベッソンの最新作は、ロシア出身のスーパーモデル、サッシャ・ルスを主演に二面性を持つヒロインのアナを描いたアクション映画。
この二面性とは、サッシャ・ルスのプロフィールを活かすようにアナは“表”ではフラッシュを浴びるファッションモデルだが、“裏”では硝煙や血潮を浴びる暗殺者だということ。
そして彼女はソ連の諜報機関KGBに所属しているのだが、CIAの巧妙な罠に嵌められ、タイトロープ渡るような状況に追い込まれてしまうところにある。
更にアナは男たちに運命を弄ばれている女性のように見えるが、特にアレクセイ・チェンコフとレナード・ミラーという敵対関係にある２人の男性に様々に影響を受け、その運命を変えていく。
ただ彼女が最終的に目指しているのは、誰にも左右されずに自分の意志で人生を歩みたいということ。
だが彼女を取り巻く状況、その柵からは死をもってしか自由になれない。
才色兼備な彼女は自分を縛る“鎖”や“楔”から解放されるべく、得意のチェスのように“チェックメイト”を目指して果敢に挑んでいく。
アナを演じたサッシャ・ルスは勿論美人で見惚れてしまうが、彼女が１年間にも亘るマーシャルアーツの特訓の成果もあって繰り出すアクションもキレッキレッで迫力がある。
果たしてサッシャ・ルスも「レオン」のナタリー・ポートマンや「フィフス・エレメント」のミラ・ジョボビッチのように“化ける”のか、今後が楽しみな女優だと思う。
