さすらいの旅人

ANIARA アニアーラのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)
3.2
★藻工場で働くとポイントが2倍になる?
【VOD/Amazon Prime/配信視聴/シネスコサイズ】

誘惑の宣伝文句「ノーベル文学賞受賞作家ハリー・マーティンソンの不朽の原作をアカデミー賞受賞製作陣で映像化!」に魅かれて鑑賞。

う~ん、これは賛否両論だろう。火星へ移住するため、8000人の乗客を乗せて旅立った巨大宇宙船アニアーラ号の遭難を題材にしたスウェーデンSF大作だ。人間の哲学的ドラマが好きな方は絶賛し、ハリウッド風のデザスターパニック映画を期待した方には絶望的な映画として映るだろう。私は後者で後味の悪い映画として憂鬱だよ。

前半までは大変面白かった。ある事故で軌道を外れて絶体絶命の時、アニアーラ号へ向かう救助船と思しき謎の存在が現れる。この未知との遭遇は宇宙船SFものではワクワクするシュチュエーションである。しかし、それは…となり別の展開に突入する。ハリウッドなら手に汗握る脱出アクションが展開されるに違いない。しかし、本作は人間ドラマに徹して、哲学的な人類観察映画として淡々と進む。

本作は北欧映画らしく美しい自然のシーンもあるし、得意のエロチックな裸の饗宴もある。しかし、8000人の遭難映画としては内容が希薄に感じるし、ラストの絶望感は半端なかった。