三樹夫

エターナルズの三樹夫のネタバレレビュー・内容・結末

エターナルズ(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

人類の歴史の影にはマーベルありというマーベル史観と神殺しの話。これ以上ないぐらいに壮大な話になり、エターナルズラインがこの映画以降も続く形となる。アベンジャーズラインと交わるのかは不明だが。

ディヴィアンツというモンスターハンターに出てきそうなバケモンから人類を守るためにエターナルズが派遣され、何千年レベルで地球に駐留。ただディヴィアンツ関連にしか動いちゃいけんという、エターナルズを創造したいわば神的な存在のゴミクズ、アリシェムの教えを守り、人類同士の戦争などは傍観するだけしかできない。ディヴィアンツは絶滅したと思われたが、ロンドンにディヴィアンツが出現。世界各地に散ったかつての仲間を集めていきという『七人の侍』的な展開と、リーダーのエイジャックが誰に殺されたかというサスペンスで話が進んでいく。
漫画版『ナウシカ』みたいなどんでん返しというか実は人類は知的生命体を餌にして誕生するティアマトというドでかいラピュタのロボットみたいなやつの生贄みたいなもんだった。そのことに対するエターナルズ内の分裂での戦いが最終決戦。ディヴィアンツも元々は知的生命体が捕食者から襲われるのを守るために生み出されたが人類を襲うようになってしまったから倒しといてという、ほんとアリシェムってゴミクズ。ティアマトを生み出すための必要な犠牲、つまりサノスの指パッチンと同じ、多くを救うための小さな犠牲は許されるのかというのが繰り返される。最後にサノス弟が出てくるので、次回以降で多くを救うための小さな犠牲のサノス理論に対するアンチテーゼもしくはジンテーゼが出されると思われる。じゃないとわざわざサノス弟である必要がわからんし。後はアリシェムという神殺しの話になりそうな気配もある。個人的にはそうなってアリシェムぶち殺してほしい。

ハンターハンター式能力分類法に当てはまるそれぞれの固有能力バトルをコンスタントにはさみエンタメ性を確保しようとしている。セルシ:変化系、イカリス:強化、キンゴ:放出、スプライト:具現化、ファストス:特質、マッカリ:強化、ドルイグ:操作、ギルガメッシュ:強化、セナ:具現化、エイジャック:特質、って感じか。
マ・ドンソクがゴリゴリの強化系パワーファイターで、腕力にものいわせて戦ってて安心した。キンゴのブーンは霊丸にしか見えなったが、ジャンプアニメで育ちすぎてて霊丸と叫ばないところに違和感を感じてしまった。イカリスは能力がまんまホームランダーで、ホームランダーからクズさを抜いたような奴と思っていたが、わりかしホームランダーだった。もちろんホームランダーのクズさには及ばないが。イカリスはいわゆる「有害な男らしさ」を抱えた男、というのにはしっくりくるかな。
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