ゲームキャラの人生に、泣かされるとは思ってなかった。
これ主人公のキャラクター設定からして「LEGOムービー」の影響を受けたのは間違いないと思うが、作劇の工夫で更なる深みを生み出している。
ポイントは、物語をゲームの世界と現実世界のツートラックとしたこと。
ルーティンをこなすだけのモブキャラが、自分の意思で人生を歩み出す物語と、現実世界で人生を賭けた仕事を奪われた女性が、それを取り戻そうと奮闘する話が、巧みにミックスされながら進行する。
行動する謎のモブキャラは、やがてプレイヤーの中で人気になってゆくのだが、彼らが口にするのが「今までモブキャラのことんなんて考えたこと無かった」と言う台詞。
二重世界の設定をうまく使って、自分とは関係ないと思っている世界中の無数の人たちに、それぞれの人生と事情がある、想像力を広げようというメッセージが自然に入ってくる。
タイカ・ワイティティが怪演する悪役も憎たらしく、FOXがディズニー傘下となったことで、クライマックスは色んな意味で盛りだくさん。
陽性の物語と、人生を取り戻せ！というストレートなテーマがショーン・レヴィのタッチとピタリとハマり、キャリアベストの仕上がり。
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