うめ

男と女 人生最良の日々のうめのレビュー・感想・評価

男と女 人生最良の日々(2019年製作の映画)
4.2
世界に衝撃を与えた第一作。
あの浜辺。ゆっくり進むカメラ。
赤ずきんちゃんの話。
強い風に揺れるアヌークエーメの髪。
それらが色褪せることなく甦る。
続編とか、その後とか、
だいたいうまくいかないモノだが、
これは違う。
好きだった人に会う喜びと悲しみ。
やっぱり自分が選んだ道は
間違っていたのかもしれない。
目の前にいるのは
いったい誰なのか。
この熱い気持ちと優しさと緊張感は
若い頃にはわからない。
その先にあるものを人は誰も予想できない。
そういう映画である。

人生最良のときは戻ってはこない。
でも思い出は残る。
たとえ認知症になろうと残る。
老いることは悲しいことではない。
思い出さえあれば人はきっと生きていける。

古いパリの中心街を信号無視して
延々と疾走する車。
それは走馬灯のよう。

過去はいつも美しく見える。
それでも男と女は振り返る。
クロードルルーシュは今回も美しく映像にした。
うめ

うめ