うめ

ナイアド ~その決意は海を越える~のうめのレビュー・感想・評価

3.6
泳ぐという原始的な行為がここまで敬虔なものだったとは。神への挑戦。人より秀でていたいというダイアナの言葉に揺さぶられた。
そう、何歳になってもその先を、その上を目指すべきなのかもしれない。周囲の人たちの付き合いの良さにも驚く。それはやはり自分も参加することで、さらに上を目指したい、見たことのない景色を見たい、という同じ思いに違いない。
クラゲがそれほど恐ろしいとは知らなかったし、9キロも体重を失うことも知らなかった。泳ぐというのはすごい作業なんだな。そして、ロッキー青木の名前を久しぶりに聞けて日本人としてはちょっぴりうれしかった。
それにしてもアネットベニングは最初シワだらけでまるで別人のようだったが、話が進むにつれて超人化し、満身創痍でも泳ぐ姿はもはや映画や演技の枠を超え美しいのひとこと。
CGやAIの時代において役者の肉体の意味をあらためて考えさせる力強い作品である。
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