特別養子縁組によって繋がれた、実母と養父母と子どもの話。原作未読だが、ミステリー色がもうちょっと強いんじゃないかと想像。本作もミステリー要素は色濃いが、それよりも、子どもを手放した母が切ない。子どもを引き受けた母が立派。それらをドキュメンタリー・タッチで捉えるカメラワークが秀逸。
そして終盤、永作博美があるひと言に涙したのと同時に、観ているこちらの涙腺も決壊する。「そうか、そうだったのか」と、永作博美と同時に気付かされる。そして、本作が、まさにそのひと言に尽きるのだということに気付かされる。我々にそう気付かせるべく、語りすぎないよう饒舌にならないように計算されたこれまでの描写に気付く。
感動作。