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性の劇薬のkazataのレビュー・感想・評価

性の劇薬(2020年製作の映画)
3.5
タイドラマを見まくったおかげでBL耐性が付いたので、劇場公開されるやいなや大ヒット&一部で熱狂的に支持された【R18+】BL映画の本作を満を持してウォッチ。

「エロスとタナトス」や「"性"で"生"を描く」のは石井隆監督の十八番だけども、それをBLに置き換えて城定秀夫監督が撮ったわけですが、、、けっこう面白かったです!

例の監禁部屋シーンで、換気扇を回して光を明滅させたり、わざわざ部屋の入口にビニール膜を張ったり(部屋から出る時に"新しい自分に生まれ変わる"的なメタファーだと思う!)と、ちょっとの工夫で絵力を高める演出が随所に見られて良き!
(監禁部屋で青を強調したライティングがされていて、それがクライマックスのベッドシーンの青シーツに繋がる辺りもグッド!海の青さが際立っていればなお良かったのに…)

身体を張って調教シーンを演じた渡邊将くんを見ながら、「よくここまで演じたな…」なんて感心しかけたけども……ちょっと待てよ、と。杉本彩さまや壇蜜さまを筆頭に、これまで全裸&ハードプレイに挑んできた女優は数多いたわけで、それと同じことを男優が演じたぐらいで褒めるのもなんか不平等な気もするような……
(でも初主演でコレっていうのは褒めてもいいよね)

(なんかBL描写面でのファンタジーさに関して批判的な意見もあるみたいですが……そもそもこれまでに映画内で描かれてきた男女のセックスシーンだって、もっと言えばAVだってファンタジー要素に満ち満ちているわけだし、ファンタジーさがなきゃエンタメって面白くないと思うけどな)

主人公の誠が自殺しようとする前の部分で、(特に恋人との関係の中で)慢性的にどこか"満たされなさ"を抱いていた……的なニュアンスが描かれているとなお良かったかな。
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