んぎ

宝島のんぎのレビュー・感想・評価

宝島(2018年製作の映画)
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テン年代オールタイムベストの一本。ヴァカンスにふさわしい地上の楽園を舞台に、徹底した管理と統制によって秩序を保とうとする大人たちとその目をかいくぐろうとする若者たち。そのどちらかに肩入れするのではなくカメラはあくまで中立的に、ドキュメンタリー的手法で淡々と描写していく。しかしそこには政治があり、さながら国家の縮図のようにも見える。その手さばきはロメールというよりキアロスタミを感じた。夏特有の溌剌とした瑞々しさもあいまって(個人的に好きな季節というのもあるが)、画面ぜんたいに詩情が迸っていて見るたびに心を掴まれる。遠巻きに聞こえる水飛沫の音やはしゃいだ声や、夜の虫たちの鳴き声が愛おしくてたまらない。
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