宝島のジジイのレビュー・感想・評価

この監督が繰り返しヴァカンスや水遊びを描くのには何か理由があるのだろう。夏の日差しの下、半裸で集まった老若男女はみな開放的で優しく、観ているだけで幸せな気持ちになる。それはさまざまなバックボーンを持つ人々が混在した世界であり、同時に自然が与えてくれるわくわくするような冒険や誘惑、感動を平等に分かち合う場所でもある。日常生活の中ですり減らした感情や好奇心を、全身で取り戻そうとする人々の姿がどこまでも愛おしくまた愛らしい。