このレビューはネタバレを含みます
よくある恋愛映画は現実味がなく、あまり好きではなかったが、この作品は恋愛を超えた純愛だったので最後まで鑑賞できました。
なんと言っても中島みゆきさんの「糸」
しびれますね。
本編で数回流れるけれど、どのシーンも喜びではなく悲しみや苦しみの場面で流れていたので、より名曲に深みを加える形となっていたのではないでしょうか。
糸は切れやすいものだが、強く結ぶことで切れにくいものにもなり、布となる。愛情も時には切れやすく、その中で深く結びつくこともある。
意味を考えれば考えるほど味が出るこの曲が語り継がれる理由がわかると思います。
この映画では、愛情、お金、死、理想と現実の対比など様々な観点で描かれていたと感じました。
特にこの映画で重要な役割を果たしていたのがお金だと考えました。
「お金では買えないものがある」
この言葉は本当に綺麗事なのでしょうか?
お金でしか幸せを生み出せない人達と、無料で料理を提供していたおばちゃん。
対照的な2人を描くことで、お金では得られない温もりを感じられる場面であったことは間違いないでしょう。
お金では買えない友情、愛情、人間関係を大事にしたいと強く思いました。
中島みゆきさんの糸を聴くために観る映画としてもとても良い作品だと思いました。