しゆ

音楽のしゆのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
3.7
目の描き方が特徴的なバンド結成映画。楽器も持ったことがない不良3人がグループ「古武術」として勢いで演奏し始め町のロックフェスに出る。『音楽』っていうシンプルなタイトルセンスが彼らの無骨さを象徴してるようでヘタに気取るよりしっくりくる。検索はかけづらいけど。
シュールな長い間とか謎にヌルヌル動く作画は岩井澤監督が脚本から画コンテ、編集まで担当した上で7年の歳月と4万枚の作画をかけた労力の賜物。月並みな表現だけど、だから一番描きたいであろう演奏シーンの一秒一秒には魂がこもってる。
古美術の森田くんは研二たちと性格も音楽の方向性も全くの真逆だけど決して貶すことはせずインスピレーションを受けあってお互いを高め合いながら進んでいく関係性が良い。フェスで歌いだしたシーンは最初は笑いそうになったけど好きなものにすべての力を注ぎ込む熱量は周りがとやかく言うもんじゃない。あと単純にナヨナヨしてたのにそのときとのギャップがカッコいい。
最後の演奏は『セッション』のラストシーンみたいな、言葉は要らずただこの音だけに全神経を集中しろと言わんばかりの迫力と熱気。亜矢がシンガーとして加入する古武術も観てみたかった。
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