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猿楽町で会いましょうのariiiのレビュー・感想・評価

猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)
3.5
エモーショナルでノスタルジーな作品かと思っていたら結構奥深くて惹きつけられた。
人間の、人には隠したい部分がこれでもかってくらい描かれていて、わたしはなんだかとてもハマった。

想像以上に裸のシーン多くてめっちゃ身体張ってるな、、、って感じだったけど、いろいろリアル感あったなあ。。。

生きるためにはどうしてもお金が必要で、身ひとつで東京に出てきて夢を追えるほど現実はそう甘くはない。
手っ取り早くお金を稼ぎたくて、でも自分には何もなくて、そういう現実のつらさや歯痒さがヒシヒシと。
誰かに頼りたくても誰を頼ったらいいかわからない、結局たどり着くのは恋人しかなくて。
好きという気持ちと、生きるために必要なこと。もはや何が本当かわからなくなるくらい必死にもがいて、でも寂しさやつらさはちゃんと感じてしまう。

自分を守るための嘘も、もはや自分自身でも何が本当なのか嘘なのかもわからなくなるくらい。
必死なのかその場しのぎなのかさえも。

この作品を観て、苦しかったなあ、と思うけれど、同時に、なんかよかったな、と感じてしまうのはなぜだろう。
映画の登場人物の誰にもなりたいとは絶対に思わないけど、どこか羨ましい。

自分より輝いている友達に嫉妬するのも、誰かに愛されたいのも、自分自身が一番自分を認めたいのも、全部全部痛いほどわかる。

田中ユカはきっとずっと愛を欲していただけなんじゃないかな。
普通に純粋に誰かに一途に愛してほしいだけだったんじゃないかな。ずっと孤独を感じて、その孤独に共感もした。

やりたいことをやって自由に生きていけたらそれ以上のことはないのかもしれないけれど、ひとりで生きていくのは難しくて、平坦じゃない、山あり谷ありの人生だからいろんな感情を抱けるのかな。

小西桜子ちゃんめっちゃ可愛い。
けど、結構前に撮ったのかな?
石川瑠華ちゃんがわたしの友達にめっちゃ似ててその人のこと思い出した。
金子大地さんはセカオワの深瀬さんに見えた。

フライヤーの猿楽町の道路も、恵比寿のおおぜき中華そばも、そのうち行きたい!

余韻の残る作品でした。
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