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ミッドウェイのcorouigleのレビュー・感想・評価

ミッドウェイ(2019年製作の映画)
4.3
戦艦いずもの艦長席に
座らせて頂いたことがある

場違いだと思った
私にはおそれおおくてそぐわない

時と場合によって
戦場にも地獄にもなり得るその場に
私が繰り出したのには訳があった

~

小学校で5年同クラスの
スポーツマン親友Sが大人になり
最終的にいずもに乗船したのだった

横浜での開港記念日辺り
私は大桟橋に家族で連れ立って出かけた

彼が船内を案内してくれる内
上官の方のご配慮で
より内部を案内してもらえた

私はありがたさと感動
戦艦、空母なるものへの畏怖もあったが
自衛艦の内部を見られた気がして
複雑だった

艦長席では背中が付けられなかった
そこは思ったよりも狭い空間で
10畳くらいの所に
自衛官が5-6名入ると窮屈という
様相ではあった
~

小学校からの親友は
私と同じく
限られた友人しかおらず
バスケ部では話し相手はほぼ
彼くらいだった

しかしそんなことは
構う風では全くなく
私とまるで違ったのは
彼はバスケのスタメンで
得点王かつ
退場王みたいなものだった

よく相手チームの血気盛んなのに
喧嘩を売られたり
ゲームでケガをしては
流血したりしていた

私は得点記録係をしていたので
彼がアベレージ25点(1試合)を取っていることをよく把握していた

そうしたスポーツの活躍は
狭い世界でしか知られることはなく
私のように
彼が本当に凄かったことを目の当たりに出来た人間が少ないことは
歯がゆいことは歯がゆい

けれどしかたがない
私にとって英雄であることには変わりが無い

彼はバスケの大会で
市内のベスト5に選ばれたりもしていて私には全て誇りだった

私と違い背が高く(今はそれなり伸びた)
勇ましく
スポーツマンだった彼はトムクルーズの
トップガンに憧れ
航空自衛隊を目指したが
視力の問題で断念した

それはいかにも残念だったが
私は彼に早く死んで欲しくなかったので内心
『飛行機乗りにならなくてよかった』と思っていた

『頭を使う仕事はしたくない』
『体を使った仕事がしたい』
『長生きしたくない』

と軍人の道を選んだ彼は
まだまだ活躍しているし
乗船しているかは分からないが
きっとお子様達ももう中高生くらいと
大きく立派な父親をしている

私にとって今もスーパースターである

そんな彼がダブって仕方が無かった

よってドキドキ
冷や冷やさせられた

それは私の個人的な思い入れ

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今から50年後
100年後の日本人は

かつて日本が何度も中国を倒したなんて
もう信じられなくなっているだろう

私だって段々信じられなくなってきたし
10年後どころか
今だって十分に世間的に
信じられていないおそれもある

産業革命を前後し
西欧列強は植民地支配をさらに強めていた

植民地を持ち
資源として略奪
利益を奪うことで自国を潤し
繁栄を築いていた

日本はそうした気配を感じつつ
1853年にペリー来航した後
翌年に日米和親条約を結び
徐々に開国、貿易へと向かう

西欧諸国に植民地化されることを
おそれ国内世論は割れ
内戦

江戸幕府は倒れ
明治政府が樹立する

日本を植民地化する計画もあったのかもしれないが
日本はそうならぬよう
知恵を絞り
国力を強め

『攻撃が最大の防御』
『何より「資源」を得なければならない』と大陸支配に打って出る

それが日清戦争1894
日露戦争1904
に繋がる

また第1次世界大戦で
勝利するまでは良かった?が

盧溝橋事件
日中戦争を経て
太平洋戦争へ繋がる

1つの戦争は10年単位と
非常に長期になる

日本は最後に負け全てを失う

本作
『ミッドウェイ(海戦)』
は史実に相当忠実に

(史実忠実似てるな…)

厳密に作られていることが随所に感じられる

小林よしのりは
著作ゴーマニズム宣言の中で
『傍受に優れた米国は
真珠湾攻撃で古い戦艦をわざと破壊させた』などのように
記載していた気がするが
私の記憶も曖昧なので
誤りかも知れない💦

しかしミッドウェーで
米軍の『傍受』が鍵を握ることは
おそらく確かだし
それが太平洋戦争の帰趨を
決めたのだとも思われる

実際の歴史をまんま
映像へと落とし込む今回の製作作業は
非常にストイックで
非常にヒーロー感が
感じられたようにも思えるが

私にはかなり真実味があるように思えたし日本軍への相当のリスペクトも
感じた

これはクリントイーストウッド監督の
硫黄島からの手紙に近いものがある

特に空中戦が見事としか
言いようがなかった

仲間を失う気持ちは国境を越える

宣戦布告が遅れたなら
やはり日本は卑怯なのだろう
それが遅れたのも諸説あるとも聞く

今、本作のような力強い作品群を
観なければ
もう戦争を現役で知る人間は次第に
いなくなってしまうので
これからも鑑賞を続け
学びにしていきたいと考えている
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