矢吹健を称える会

ビート -心を解き放て-の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

ビート -心を解き放て-(2019年製作の映画)
2.4
 「type beat」が蔓延る現代に、ビートメイクにおいて例外的な才能を描けるのだろうか……という興味から観賞。感想としては、うーん、って感じ。あんまり、感心しませんでした。これなら、YouTubeにいろんなプロデューサーが登校してる各種サンプラー(SP-1200とかSP-12とか)の実演動画のほうが感動的だと思う。

 ポール・ウォルター・ハウザーが「作曲」においていかに優れているのか。アンソニー・アンダーソンが評価する点としては「速さ」なのだが、だとすればそのスピード感をきちんと描くべきなんではないか。あるいは、シーケンサーを扱うテクニックを華麗に演出するとか。
 あと、彼がビートメイクをする現場と、そのビートにあわせて誰かがラップをする現場が時間的・空間的に離れているために、なんか盛り上がらないのも良くない。同じくアンソニー・アンダーソンが出演している『ハッスル&フロウ』のように、レコーディングそのものが活気に満ちた、希望を感じさせるものとして描かれていたら、映画はずいぶん救われていただろう。