みんなクイーン大好きなんだな、って思った。日本史を扱うアニメでクイーンというのは、そもそもクイーン自体が日本で最初に売れたバンドってことを考えると全然ヘンなチョイスじゃない。
クライマックスの一般的な成人男性の身体を動かしたダンスシーンもよかったけど、もっと異形な身体を活かしたダンスシーンを観てみたかったなぁ。
ところで、3DCGアニメのダンスシーンに慣れ親しんだ目だからか、手描きのダンス描写が物足りなく感じてしまう。アニメってキャラクターの身体をしっかり描き込めば描き込むほど、異化効果が増して、重力が薄まっていく。本作のキャラは萌えアニメ的にデフォルメされていないが、だからこそ身体が軽く見えてしまった。
現実には現実の、萌えアニメは萌えアニメの、ゆるキャラアニメにはゆるキャラアニメならではの重力がある。だから鑑賞中にスリルを感じる。本作に必要だったのも、写実的リアリズムではなく、そういった「作品内リアリズム」の強調だったのでは。