鹿山さんの映画レビュー・感想・評価

鹿山

鹿山

聖なるイチジクの種(2024年製作の映画)

4.2

前情報なしになんとなく足を運んだら大当たり!とてもおもしろかった!

エンタメとして高品質でありつつ、イランの学生運動やその弾圧も直接的に取り扱った意欲作。実際のデモ弾圧映像も引用しており、痛ましい光
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機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

【わたしのガンダム視聴経験】
①水星の魔女 ②映画初期3部作 ③逆シャア 以上。
これくらいのにわか視点からのレビューになります。

 ●

前日譚は「はいはい、セルフパロディですね!」と若干興醒めし
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劇場版BUCK-TICK バクチク現象 - New World - I(2025年製作の映画)

4.1

脚色やナレーション、BGMの挿入などは一切なし。ツアーや音源制作の風景を淡々と撮り、淡々とつないだ映像。淡白とすら思えるほど素材の味を活かした作風だけど、カメラワークや編集のおかげで楽しく観れた。なに>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い(2024年製作の映画)

3.8

(IMAX・吹替版)
手放しに絶賛はできないが、このチャレンジを大きく賞賛したい。そういう大作映画だった。

本作の狙いはわかりやすい。海外映画の王道の戦記モノをウェルメイドなアニメ作画でやってみよう
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劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師(2024年製作の映画)

3.8

忍たまシリーズは未履修。幼い頃にTV版を時折見ていた程度で、鑑賞前はヘムヘム以外のキャラ名を知らなかった。

強くデフォルメされた子ども向け作品とはいえ、軍略と戦(いくさ)がはっきり描かれているから、
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

大晦日、酒気帯びの状態で、実家のテレビにてTV放送版を鑑賞(この文章を酔った状態で書いてる)。なので冷静な判断をくだせていないが、そもそもポップコーンムービーを冷静に観ず、メシ食いながら享受することこ>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.8

シリアスな政治映画かと思いきや、ふたを開けてみればロードムービーだった。現実を戯画化している作品だけど、戯画化の度合いが強いためむしろハリボテめいて見える。音周りの演出が全般的に良き。

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.8

​物語で惹きつけてくれた。血族による世襲制、戦前~戦後を繋ぐ一家、離れ島や地下に追いやられる妖怪、隻眼の鬼太郎……。本作の題材ってやっぱ●●●だよね? だからこそ、●●●による搾取を描くにとどまり、批>>続きを読む

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014年製作の映画)

3.8

いかに人は「父」たるか。強権的な昭和オヤジになれないのなら、どう父親になればいいのか。露骨なマッチョさではない方向性での男性性を探究する物語だった。ラストには涙。OP/EDのきゃりーぱみゅぱみゅもいい>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(2004年製作の映画)

3.9

​しんちゃんたちはオンボロな映画館にこっそり忍び込む。そこではなぜか無人なはずなのに、ひとりでにフィルムが回っていた。スクリーンに映写された砂漠を眺めていたしんちゃんたちは、西部劇映画の世界に飲み込ま>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード(2003年製作の映画)

3.8

よくわかんないまま始まり、よくわかんないまま終わる。アクションとギャグのみに全振りした一時間半。しかし映像がおもしろかったからそれでもいいやと思える。
冒頭にある「自動車が野原家にやってきて、シロの犬
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

4.4

 小学生のころ以来に鑑賞。あらためて観て、すべての瞬間が奇跡的だと思った。1X年ぶりに観てもシーンを憶えているってすごいことだ。後半はずっと観ながらぐしゃぐしゃに泣いてた。
​​ アニメならではのデフ
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さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

3.6

 初めて観る岡田麿里監督の映画。アニメ脚本家としては、『あの花』『ブラック★ロックシューター』『さくら荘』『幸福グラフィティ』を意識せずに観ていたくらい。結論からいうと、好きではない。演出や台詞回し、>>続きを読む

きみの色(2024年製作の映画)

4.2

 執拗なまでに映される足と眉毛と眼球。肉感はあるがイヤラシさのない、健全な体つき。顔にフォーカスしたとき、一本の線だと思っていた毛はなだらかに流れる線の束だと気づく。スキップしたらおさげとスカートがふ>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.1

永遠にくりかえされる日常生活と、くだらない会話。そのなかにびっくりするようなショットがちらほら差し込まれる。作品の世界観やメタフィクション的構造が絶賛されがちな傑作だけれども、それよりもまず「理想の夏>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

ただ漫然と画面を観て、そこに溢れる生活音を聴いていただけなので、スッと感想が出てこない。むしろそれこそ、幸福な鑑賞体験の証左かもしれない。

当然ながら、書くことと話すことには超えがたい隔たりがある。
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レナードの朝(1990年製作の映画)

4.2

デニーロの演技の凄絶さ。
みずから当事者として体験したことのない病気に自分なりに理解を示し、身体全体で表現すること──これを「想像力」 と呼ばずしてなんというべきか。

このころのハリウッド映画は俳優
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少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(1999年製作の映画)

4.4

​​TV版制作陣によるセルフ二次創作。
​​作画も構成もアニメ版よりずっとぎゅっと凝縮されていて、そしてなにより思想性をTV版よりもずっと肯定的に描いている。特に第三幕の展開には涙ぐむ。TV版ではつい
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