鹿山さんの映画レビュー・感想・評価

鹿山

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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.8

​物語で惹きつけてくれた。血族による世襲制、戦前~戦後を繋ぐ一家、離れ島や地下に追いやられる妖怪、隻眼の鬼太郎……。本作の題材ってやっぱ●●●だよね? だからこそ、●●●による搾取を描くにとどまり、批>>続きを読む

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014年製作の映画)

3.8

いかに人は「父」たるか。強権的な昭和オヤジになれないのなら、どう父親になればいいのか。露骨なマッチョさではない方向性での男性性を探究する物語だった。ラストには涙。OP/EDのきゃりーぱみゅぱみゅもいい>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(2004年製作の映画)

3.9

​しんちゃんたちはオンボロな映画館にこっそり忍び込む。そこではなぜか無人なはずなのに、ひとりでにフィルムが回っていた。スクリーンに映写された砂漠を眺めていたしんちゃんたちは、西部劇映画の世界に飲み込ま>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード(2003年製作の映画)

3.8

よくわかんないまま始まり、よくわかんないまま終わる。アクションとギャグのみに全振りした一時間半。しかし映像がおもしろかったからそれでもいいやと思える。
冒頭にある「自動車が野原家にやってきて、シロの犬
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

4.4

 小学生のころ以来に鑑賞。あらためて観て、すべての瞬間が奇跡的だと思った。1X年ぶりに観てもシーンを憶えているってすごいことだ。後半はずっと観ながらぐしゃぐしゃに泣いてた。
​​ アニメならではのデフ
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さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

3.6

 初めて観る岡田麿里監督の映画。アニメ脚本家としては、『あの花』『ブラック★ロックシューター』『さくら荘』『幸福グラフィティ』を意識せずに観ていたくらい。結論からいうと、好きではない。演出や台詞回し、>>続きを読む

きみの色(2024年製作の映画)

4.2

 執拗なまでに映される足と眉毛と眼球。肉感はあるがイヤラシさのない、健全な体つき。顔にフォーカスしたとき、一本の線だと思っていた毛はなだらかに流れる線の束だと気づく。スキップしたらおさげとスカートがふ>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.1

永遠にくりかえされる日常生活と、くだらない会話。そのなかにびっくりするようなショットがちらほら差し込まれる。作品の世界観やメタフィクション的構造が絶賛されがちな傑作だけれども、それよりもまず「理想の夏>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

ただ漫然と画面を観て、そこに溢れる生活音を聴いていただけなので、スッと感想が出てこない。むしろそれこそ、幸福な鑑賞体験の証左かもしれない。

当然ながら、書くことと話すことには超えがたい隔たりがある。
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レナードの朝(1990年製作の映画)

4.2

デニーロの演技の凄絶さ。
みずから当事者として体験したことのない病気に自分なりに理解を示し、身体全体で表現すること──これを「想像力」 と呼ばずしてなんというべきか。

このころのハリウッド映画は俳優
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少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(1999年製作の映画)

4.4

​​TV版制作陣によるセルフ二次創作。
​​作画も構成もアニメ版よりずっとぎゅっと凝縮されていて、そしてなにより思想性をTV版よりもずっと肯定的に描いている。特に第三幕の展開には涙ぐむ。TV版ではつい
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関心領域(2023年製作の映画)

3.7

「うんうん、悪の凡庸さだね……」

本作は特筆すべきところのない凡庸な日常風景を描いた映画だ──ただし、数m先で起きている民族虐殺からは目を逸らしつづけている、という点を除いては。
冒頭の長ったらしい
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.7

・コナン映画を観たのはおそらくこれが初めて。いままでアニメや映画が地上波放送されているのを、断片的に観たくらいの記憶しかない。
けれど、友人が「気になる」と言ってたり、あと興行収入がとんでもないことに
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ミーン・ストリート(1973年製作の映画)

3.7

チンピラどもの金絡みの揉め事、愚痴を延々と見せられる。つまりはくだらなくて、そして痛快。中盤の情けない殴り合い〜発砲がハイライトか。
やはり全体として荒削りな造りなのは否めないものの、音楽の使い方や、
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.1

2024/4/9 2回目。
再見。終盤で内田樹が指摘していたとおり、全共闘の本質は反米愛国運動であった。いいかえれば、一見すると左翼的な政治運動の根源にはきわめて右翼的なナショナリズムが通底していると
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ヤジと民主主義 劇場拡大版(2023年製作の映画)

3.7

 「言論の自由」というよりは、「暴力の独占=警察」の問題だった。札幌で警察の職権乱用事件があったのはシンプルに勉強になった。それはむろん批判されるべき横暴である。
 現代社会において「ドキュメンタリー
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.7

 料理に内在する運動とはなにか。
 スープなどを注ぐ、鍋に入れる、湯気が立つ、井戸から水を汲み上げる、湯気が立つなどの「垂直運動」。調理場を動き回るという、「水平運動」のふたつだ。
 撮り方もこれらを
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