2024/4/9 2回目。
再見。終盤で内田樹が指摘していたとおり、全共闘の本質は反米愛国運動であった。いいかえれば、一見すると左翼的な政治運動の根源にはきわめて右翼的なナショナリズムが通底していると>>続きを読む
「言論の自由」というよりは、「暴力の独占=警察」の問題だった。札幌で警察の職権乱用事件があったのはシンプルに勉強になった。それはむろん批判されるべき横暴である。
現代社会において「ドキュメンタリー>>続きを読む
料理に内在する運動とはなにか。
スープなどを注ぐ、鍋に入れる、湯気が立つ、井戸から水を汲み上げる、湯気が立つなどの「垂直運動」。調理場を動き回るという、「水平運動」のふたつだ。
撮り方もこれらを>>続きを読む
擬似ワンカット×密室ミステリー。全編においてカメラが特定の人物の背後をさながら亡霊のように追従していく。これは『クローバーフィールド』『1917』にも似た、3Dゲーム風世界観の輸入のように思える。け>>続きを読む
・ストップモーションアニメと実写映画とだいぶ異なる表現なのだな、とふと思った。というのも、映画は既存の空間を映すものだけれど、ストップモーションアニメは空間がまるごと変わっていく。画面内に新たなできご>>続きを読む
世界的映画監督だろうと生活はあるし、痴話喧嘩をしてなんとなく仲直りするし、自分が何を創作しているのかわからなくなるし、作品発表まで緊張するし、ヤケクソになるし、周囲に理解者がひとりでもいると嬉しいし>>続きを読む
レフン監督本人がホドロフスキーからの影響を公言しているために、アート映画として受容されているが、ぼくはむしろテレビゲーム的な映画におもえた。ドギツイ色彩感覚、爆裂するエキゾチズム、横スクロール化する>>続きを読む
一見するだけではとても感想がまとまりそうもない。演出面に注目してもういちど観てみたい。
前作『グッドタイム』同様、Oneohtrix Point Never目当てで鑑賞。だんだんとサフディ兄弟のファンにもなってきてしまった……。
前作同様、ロクデナシの無軌道な博打をいかがわしい電子>>続きを読む
人気TVアニメの劇場版にして、本シリーズにとってひとつの節目となる本作。現監督:京極義昭が手がける『ゆるキャン△』はおそらくこれが最終作だろう。演出や画造りを TVシリーズ から大きく変えることなく>>続きを読む
これを観たあとは「リアリズム」という言葉を軽率に用いることができなくなる。
みなが「ゴダールオマージュ」と口を揃えていうとおり、あらゆるショットから「これがやりたい」という好奇心が溢れ出す。鑑賞者はその若さを賞賛できるか否か委ねられる。
適度に飲酒しながら生活すればすべてがうまくいくのでは、なんて誰もが一度は妄想するであろうバカげたアイディアに真正面から挑む。てっきり出オチかと思っていたが、いざ蓋を開けてみれば、ゆるやかに人生が下>>続きを読む
「なぜラッパーは悪さ自慢をするの?」
「なぜラッパーは成金自慢(セルフボースト)するの?」
「なぜラッパーは言葉遣いが攻撃的なの?」
最初、誰もが素朴に抱くであろう疑問に、この映画>>続きを読む
報復としての爆殺。国家によるゲリラ作戦。史実をエンターテインメントとして矮小化せず、片方の勢力に肩入れせず、忠実に描こうという気概は感じられるのだけど、そのせいで全体的に鈍重になっているのは否めない>>続きを読む
黒ずんだ眼差しのおそろしさ。顔のクローズアップ。工場労働。母親になれない苦しみ、母親でしかあれない苦しみ、親を頼れぬ苦しみ。親と子の間にある普遍的な社会問題が、強迫的な演出を交えて説得力をもって語ら>>続きを読む
一癖も二癖もあるサブカル青年たちが台北で戯れる青臭い会話劇。『牯嶺街少年殺人事件』のように一種ギャング映画めいたクソガキどものバイオレンスを期待していたので、日常風景を監視カメラできりとったような>>続きを読む
オタクはマジ素早い。比喩ではなく物理的に。そんな彼らの喋り方や挙動、パソコン操作をこれまたスピーディーな編集でつなげ、エレクトロニックな劇伴を添えただけで最高のエンターテインメント作品になるなんて>>続きを読む
銃音、光を反射する車、女のために奮闘する男……。さすがマイケル・マン監督。あいかわらず前時代的でマッチョなロマンチズムをこれでもかと披露してくるのだけれど、それに毎度興奮してしまう自分も同じ穴の狢。>>続きを読む
リチャード・ジュエルは権威や法規範を重んじるが、アメリカ社会はリチャード・ジュエルに冤罪をなすりつけんとする。本作は「ナショナリズム」という叶わぬ片想いが覚めるまでを描いており、その意味においてビタ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「君たちはどう生きるか」なんて偉そうに言うなよ、あんただって今そこにいる自分自身が耐え難くて、創ることでしかみずからを確認できないくせに。
疾走、うじゃうじゃと集まってくる動物たち、夢(海の底)>>続きを読む
なるほど、『許されざる者』の原形はすでにここにある。地獄から蘇るならず者。
西部劇の伝統を自覚的になぞった序盤は、監督駆け出し時代だからなのか、妙に弛緩していて正直少しかったるかったなと思わなくも>>続きを読む
『ジョーズ』の延長線にある夢溢れるパニック映画。アクションは定番ともいえる縦方向の重力ネタが多くてハラハラする。さらにそれらのシーンは「鳥への進化」、「科学技術の発達」というテーマによって回収されて、>>続きを読む