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ドリームプランのdreamovieslooveのレビュー・感想・評価

ドリームプラン(2021年製作の映画)
4.1
ずっと観たいと思ってた!
感動作品やった・・・😭


⭐️感想⭐️
娘を思う父と母の姿。
破天荒かつ頑固な夫を信頼し、でも違う、というときはきちんと苦言を呈す愛の深い妻。
夢を諦めずに手段を模索する父。
両親の期待に応えながらも、それを自分の夢として一生懸命努力し、成長する娘たち。
家族っていいなとか、自分もこういうふうに子供を育てたいなとか、って思う作品やった!感動!

⭐️あらすじ⭐️

父 リチャード
母 オラシーン
娘5人
テニスに打ち込んだのは、
姉 ビーナス
妹 セリーナ
の2人。

オラシーンは3歳の連れ子持ち。
リチャードもまた息子がいたが、オラシーンの娘3人と共に再婚。
新たに2人娘が生まれた。
生まれる前から、リチャードは、娘2人ビーナスとセリーナをテニスで有名にするという夢の計画、まさにドリームプランを立てる。
そして妻のオラシーンと2人3脚で夢の実現に向けて奮闘。
オラシーンは昼間は看護師。
夕方、学校終わりにリチャードは娘たちとテニスの練習。
帰ってきた娘たちがご飯を食べて寝る間リチャードは警備の仕事。
そんな生活が続いた。
教育方針は明確で、まずはきちんと勉強をすること、その上でテニスがあるのであって、テニスだけをするのは違う。
また、謙虚に、しかし自信を持ち、自分を信じること。

リチャードは娘をテニスプレーヤーにするべく練習プランを立て、娘たちを成長させた。
しかし、やはりプロになるには誰かプロのサポートが必要で、著名プレーヤーに
無償でコーチングをしてくれるよう頼んで歩く。
そんな中引き受けてくれた1人目のコーチ。
てっきり娘2人を引き受けてくれたのかと思ったらなんと姉のビーナスだけ。
しかし、練習の様子を録画し、セリーナも家で見てまた母と練習に励む。
しまいお互いに悔しいし気まずいだろうに仲の良さは変わらない。
そしてコーチの勧めでビーナスは初めてジュニア戦 試合に出た。
初試合にも関わらず見事優勝。
喜びに満ち溢れる家族に父リチャードが放った言葉は、試合が終わったらもうテニスで勝った話はおしまいだということ。
それでもまだ喜びに満ち、少し自信過剰なムードが漂う中、子供達にジュースを買いに行かせ、そのまま置き去りにしようとする。
それは過剰だったが、それでもリチャードが伝えたかったことは、
一生懸命努力し、自信を持って挑んだ戦いに勝利したことは間違いなく素晴らしい。しかし強者がいるということは同時に敗者がいるということであり、そのことを忘れてはいけない。ということ。
詳細には語られなかったが、勝利の背景にある人や事に感謝し、いつでも謙虚にいてほしいという親の願いだったのだと思う。
家に帰ると、家族会議と称して、全員でシンデレラを観る。
終わると、何を学んだか一人一人に聞く。
子供達からは、夢をあきらめないこと、自信を持つこと、負けずに立ち向かうこと
といった言葉が出てくる。
そんな子供達に、ちがう、シンデレラはどんなに酷い言葉を浴びせられても、扱いを受けても、謙虚さを忘れなかったから最後幸せになれたのだと伝える。

こうやって子供達を教育するんだなぁと勉強になった。

そして、どんどん上手くなり、試合を重ねるビーナスの応援に家族で行った時、こっそり自分もエントリーしていたセリーナ。
家族みんながビーナスを応援する中、セリーナは1人で戦っていた。そして、妹も世界レベルやん!と通行人に言われ、観に行くとそこには1人で戦うセリーナの姿。
1人で心細かったやろなぁとかって思うと泣けてくる。

でもずっと家族の絆は強く、さらなるコーチングを求めてリチャードはまたプロコーチと交渉する。
しかし、何十戦も連続勝利を収めた後、ジュニア戦にはもう出ないことにした。
理由は、大人のお金稼ぎの手段に娘たちを使わせたくなかったこと、娘は確かにテニスで食べていけるかもしれないけど、それでもいつ何があるかわからない、賢い人間でいてほしいという思いから、
勉強、エホバの会(信仰)、音楽、そしてテニス、と全てを他の子供達と同じように学ばせたかったから。
実際に、テニスだけに向き合い、お金を稼ぐようになった選手は、クスリに溺れて逮捕されたり、理不尽な親の暴言、テニスの試合中の不誠実な態度を取ったりしていた。

リチャードは頑固で、自分がたてたプランに執着していたが、それでもオラシーンと一緒に立派な娘たちを育てたいい父親だと思う。
おかげで、娘たちは自分と、家族と、これまでの努力と未来にちゃんと自信を持っている。
また、妻のオラシーンもやはり立派な妻であり母。
時に頑固で腹が立つような夫リチャードにもちゃんと向き合い、信じて一歩引く時は引き、譲るべきでない時はちゃんと苦言を呈す。
強く、逞しく、優しく、愛のある妻であり母である。

そして、ビーナスは初めてのプロとしてのデビュー戦に出る。オフィシャルな試合は10年ぶり。
1日目は見事優勝、2日目はなんと世界チャンピオンのビカリオに負けてしまう。
1セット目はビーナスが勝利、順調なスタートだったがビカリオは10分間もトイレ休憩を挟み、ビーナスの戦闘意欲を削ぎ不安を煽った。
そしてトイレに行く前何やら靴から取り出して、トイレで飲んだ?ドーピング?(映画の中で言及されていないので勘違い?)
試合中トイレに行くのはよくある卑怯な手段ということで、ビカリオはプロの世界の洗礼を浴びせた形。
こんなんで流れ変えてもカッコよくないよねって思うけど。
ビーナスの奮闘は黒人の少女たちだけでなく多くの人に感動と勇気を与えた。
試合後落ち込むビーナスに寄り添っていくリチャードとオラシーン。
そして娘と合流するシーン。
そして会場を出ると多くの子どもたちが立ってくれているシーン。

すごく涙出た。試合を見ててわたしまで悔しいけど、真正面から付き合ったビーナスは素晴らしいし、ちゃんとその様子が伝わってよかったって思った。

結果、ビーナスは一番初めナイキから300万ドルの契約金を提示されていたが断り、プロ試合を終え、結果9ヶ月後にリーボックから1,600万円の契約金を手にした。
そして、ビーナスもセリーヌも現役選手として長く戦い続けた。

プロ試合が始まる前、リチャードがセリーヌに自分の過去を語る。
幼い頃、黒人は白人に触れてはいけないのに、お店で誤って触れてしまい、周囲の大人たちにボコボコに殴られた。それを見ていた父親は、こそこそと逃げたと。息子のリチャードを見捨てて。
なんと情けなく悲しい話なのだ思う。
リチャードは、自分は絶対娘たち、家族を守ると伝える。そして、ビーナスの影でセリーヌも悔しい思いをしただろうが、セリーヌのためにももちろんプランがあると伝える。

早くからテニスの世界にどっぷり浸からせると闇の部分のせいで子供達が侵されると危惧していたが子供達はもう十分精神的にも成長してきており、だんだんリチャードは娘の自主性や判断を重んじるようになる。
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