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すばらしき世界のdreamovieslooveのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
3.5
めっちゃ期待して観てしまったからか、あ、こういう作品ね、、、。の枠を超えなかった。
めっちゃ感動する作品ではなかった。

母親に見捨てられ、施設で育った主人公三上。居場所を求め、ヤクザの道に入った。
ヤクザの世界は、親分?がいて、強い絆があるみたい。一度仲間と認識したメンバーは大切に守り抜く熱さ、信念があるみたい。

三上も、まっすぐで、優しくて、曲がったことは許さない。でも何かを守るためなら、相手が死んでしまうまで暴力を振るったりしてしまう。
この限度の部分さえちゃんとしていれば。暴力じゃなくて言葉で相手に対峙することができたらどんなによかっただろうと思う。
だってそうすれば三上はただただいい人やもん。

三上は13年の刑を旭川で終え、出所する。
出社して一番にしたことは、自分の身分帳をテレビ番組に送り、母親を探すこと。
やっぱり人はみんな自分に愛を向けてくれる存在を求めてるんやろうなあって思う。
そんな三上を、題材にドキュメンタリー番組を作ろうと長澤まさみが提案し、太賀が密着する。

刑務所から出て、真っ当な道を歩むと決めた三上だが、理不尽な間に合っている人を見るとやっぱり放って置けない。
救おうとして、悪い人に暴力を振るう。また限度を超えて暴力を振るってしまう。
しかし、太賀や身元引受人の夫婦、スーパーの店長、市の職員のサポートを受けながら、喧嘩してしまいそうな衝動を抑えて徐々に外の世界に馴染んでいく。
そんな中、始めた仕事が介護の仕事だった。
そこでも、正義感の強い三上は同僚が同僚に暴力を振るい悪口を言う様子が許せず口を挟もうとするが、グッと堪え、悪口に同調した。
わたしはこの同調は違うんじゃない?と思う。
わたしは、おかしいことはおかしいと伝えて、でも揉め事にならないようにその場を収めるのが大事で、その方法を小学校、中学校っていうジャングルで身につけた身のこなしな気がする。
でもこういうことができる人ってほんとに少ないんやなぁと学生時代感じたし、大人になっても感じる。

人の正義感と、人の弱さ、同調圧力、人を蔑み自分のポジションを高く見せる。
こういう人間の醜さを描きつつ、
でも人と人の繋がりっていう暖かさも描いていて、色々と考えさせられる作品やった。
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