にょこ

ドリームプランのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

ドリームプラン(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ウィルスミスの演技、良かったです。
単に娘の夢を叶えたい、自分の夢を重ねている、とは違うお父さんですね。
これは同じ親として真似できないなぁ…

また時代が時代なだけに、ビーナスとセリーナが活躍するということはアフリカ系アメリカ人にとっては単なる成功の2文字では片付けられないものがある。
全てのアフリカ系の少年少女の背中を押すことができる、その責任、プレッシャー、それらを父はよくわかっていて、ビーナスとセリーナがメディアに食い潰されないように、燃え尽きないように。それから必死に娘を守っている。

それでも、チンピラに手をかけようとしたり、宗教信仰(海外ではキリスト教を信仰しているシーンはよくあるが、エホバの証人の信者というのは初めてかも)、他にも子供がいて放棄していること、地域とは隔離した子育てをしていること、父自身も普通ではなく、綺麗な環境で育ってきたわけでもないことを重すぎず表現しています。
この感覚もまた普通とは違うな。。

それでも、この2人を成功に導いてきたポジティブさ、誠実に向き合うところ、子供達に高い教育を与えてきたこと、生半可な努力ではない。
もちろん奥さんあってこそではあるけれど、ここまで父親が家庭に向き合うと、こうも違うのかと驚きます。

また、後半、ほぼビーナスの活躍だけですが、セリーナはそれでもビーナスを応援しているんですよ。あれだけの才能の持ち主であれば必ず自分も!自分も!!となってもおかしくないのに。
彼女は待っている。姉の成功を信じ応援しながら。
この若さでこの高潔さ。セリーナにも言えますが、教育の賜物でしょうか。

ラスト、試合会場をじっとみるセリーナに、父が声をかけてくれて、こちらが嬉しくなりました。
セリーナは焦らずとも父を、家族を信じていたんだということがよくわかるシーンでした。
にょこ

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