昼行灯

陸軍の昼行灯のレビュー・感想・評価

陸軍(1944年製作の映画)
4.5
戦時下に木下恵介が陸軍省の依頼で撮った戦意高揚の国策映画(の皮を被った反戦映画)。

「男の子は天子様からの預かりもの」
「ただ死ぬだけじゃいかん、五箇条(軍人勅諭)のお教えに殉ぜねば」

全編通して国策映画特有の胸糞台詞が並ぶが、それを覆す圧巻のラスト10分。軍国の母が一介の母になる瞬間。台詞は殆どない。映像で静かに語られる反戦のメッセージ。

脚本で検閲をくぐり抜け、映像で抵抗を見せた木下恵介。まさに映像作家。
昼行灯

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