昼行灯

サン・セバスチャンへ、ようこその昼行灯のレビュー・感想・評価

3.0
ウォーレス・ショーンがウディ・アレンの分身となって世に毒づくわけだが、"年寄りの愚痴を聞かされている感"が強め。愛嬌よりも憎たらしさが上回る。主人公を好きになれないと最後まで今ひとつ乗れないもんだな。

愛、才能、劣等感、人生の意味。語られるテーマもお馴染みのものだが、ブラッシュアップされたというよりは、焼き直したという印象のほうが強い。キャストやストーリーも含め、ウディ・アレンのキャリアの中でも目立たない一本となりそう。

サンセバスチャンの風景はもちろん、トリュフォーやベルイマンを引用したモノクロのシークエンスはどれも美しい。撮影はヴィットリオ・ストラーロ。ベルトリッチ作品のイメージが強いが、ウディ・アレンとの相性も悪くないと思う。
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