horaAya

ソウルフル・ワールドのhoraAyaのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.9
流石のディズニー。流石の公式。寸分違わずに公式に当てはめてくる接待されているような居心地の良さ。それでいて映画的表現も絡めてくるから優等生すぎて何も言えない。遠目でジャケ見た時のシルエットでエイリアンの映画なのかなとか思ってたけど、そんなに間違えてはなかった。冒頭時点で予想される展開のベクトルをズラし、再びベクトルが固まりそうになるタイミングでまたズラしを繰り返し、ジャンルすら混合させていくことで「先が予測できない」を何度も生み出していくのが段々と楽しくなってくる。最初は「予測できない」が予測できないからこその楽しさではなく、あざとさ故の白け感のが強かったのだけど、断られても何度も告白したらOK出る理論のように段々と許容範囲を押し広げられていく感が凄い。「一瞬一瞬を大事にする」とかいうぐうの音も出ない着地のドヤ感も嫌味なくやってしまえるだけの土台の形成は驚異的。ほんと流石のディズニー。しかも『ファブリック』や『ビバリウム』『ライトハウス』と類似の主題にも手を伸ばし、ホラー映画が主題を沸き上がらせるために映画一本を通して行うことをクライマックスでダイジェスト版みたいに入れ込んでくるという。それがどちらかと言うと批判される側に立つはずのディズニーがやってるという自虐なのか何なのか良くわかんないところも良い。
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