Koshii

ソウルフル・ワールドのKoshiiのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.8
『夢はどこからでも、どこへでも。』


かなり大人な雰囲気のピクサー作品だった。
扱うテーマが、ジャズミュージックの「ソウル」と、概念で構成された魂のゆく果ての世界「ソウル」。この二つの「ソウル」を軸に物語は進む。

ジャズで大舞台に立つことを夢見るジョー。彼は学校の音楽教団の先生として、同じ日を繰り返す。そんなある日、彼は有名ジャズプレイヤーと共演するチャンスを手に入れる。そこで夢が叶うはずだったのだのだが、、、


以下、ネタバレ、感想を含みます。







別次元に意識が飛ぶ「ゾーン」、スピリチュアルな存在である「猫」など、精神と肉体の関係をピクサーの世界に落とし込み、生きる目的とは何かという、哲学のような議題でさえも、ファンタジックに描いた本作。


22の魂がジョーの体に入り込み、二人の価値観は大きく塗り替えられていく。この二人と、彼らを取り巻く個性的キャラクター達から学ぶべきことは『夢』と『幸せ』であった。

ジョーは、音楽こそが生きる目的であり、それが幸せだと願いながら、夢を追い続けていた。しかし、実際に夢を叶えたときに気付く。夢を追うことの楽しさを。そして、それに気付けることこそが、幸せであると。

夢を叶えるのに、遅過ぎたも早過ぎたも、順序もやり方も無い。夢はどこからでも、どこへでも追うことができる。

そういう、何かに向かっていく力で、世界は回っていて、そういうもので世界はきらめいている。僕らはそんなソウルフル・ワールドに立っている訳で、幸せはすぐ近くに満ち溢れているはずだ。
Koshii

Koshii