とか26

ソウルフル・ワールドのとか26のネタバレレビュー・内容・結末

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

絶対【アメリカンビューティ】観て、
価値観パクったでしょ…っていう
世界への捉え方が出てきてビックリした。
導入から葉が舞ってて、確信犯にも程がある。

【アメリカンビューティ】が
あんな一瞬で伝えてしまったテーマを、
100分もかけなきゃ伝えられないのかっていう
ピクサーのレベルの低さにも驚愕。

「魂の時代から性格が決められてる」とか、
「きらめきが必要」みたいな
めっちゃ自己中な設定作っておいて、
「実は、目的はいらないんです」っていう
かなり当たり前な結末を提示して終わるの
とんでもない作りしてて気分悪くなった。

「最初から性格は決まってる」なんて設定を
基本の部分に置いてしまうと、
性格の変化を描く"人間ドラマ"ってものを
全否定してるのと同じだと思うんですが。。
最近のピクサーって
【トイストーリー4】の時も思ったけど
自分の会社が積み上げてきたものを
全部ぶっ壊したい!みたいな
タチの悪い破壊衝動にでも取り憑かれてるんかな…。

街中で遊んでる主人公が、
中身は違ったとしても見た目がオッサンだから
ヤバい人にしか見えなくて、キモかった。
胸の辺りに汚れが付いたきったない服のまま
部屋にきた生徒と話したりするのも、
全然その辺のリアリティが気にならないような
製作者たちが作ってるんだと思うと
どんどんストレスになってくる。

逃げた体を追いかける展開とか、
最初の目的とまったく関係ない
寄り道ばっかりでずっとダルい。

デザインとかストーリーに
面白みの欠片もないから、
メインのテーマに良さを感じなかったら
その時点で
「おまえに向けた作品じゃねーよ」って
言われるような作りしてるのも、なんだが…。

そもそもこんなテーマの伝え方をする作品が
ここまでウケてることにビックリした。
【アメリカンビューティ】で描かれた
世界の捉え方には共感する余地があって、
「自分と同じ事 考えてる人が居てくれた」って
受け取れる部分が
途方もなく嬉しかったんだけど、
この作品の場合
もともとそういう思考で生きてた
自分みたいな観客に対しては
「いや、そうよ…?」としか思う余地がなくて
本当に残念だった。

「お前ら世界を味わえてないだろ?」って映画が
「味わえてませんでしたー!」って
ウケてんだから、
味わってる自分としては
かなりの孤独感を突きつけられた。

なにワケのわかんねぇこと言ってんだって
思われるかもですが、
正直味わえてる身からすると
これは世界に対して
完全な受け身になるだけなので
希望のある結末ではないと思います。
自分が知ってる世界の良さみたいなのを
頑張って人に伝えようとしても
基本 変人扱いされるだけで伝わらないし、
そんなことに共感してくれる人がいなくて
どんどん理解者が減って孤独になります。
自分はそのことに対して
バカみたいな優越感持ってるからいいんですが、
この作品の言ってることを鵜呑みにして
"世界のすべて受け入れ人間"になっちゃうと
いろいろ大変だろうなとは思いました。
「葉が舞ってるだけで嬉しい」とか、
「触れたものの感覚が伝わるだけで嬉しい」とか
そういう当たり前なことに感動するって話をして
笑わずにちゃんと話を聞いてくれるひとって
思ってる以上に少ないので。
てかそんな人に会ったことがない。

とにかく再確認したのは
【アメリカンビューティ】の、
●観客に価値観を押し付けない。
●共感の可能性を含んでる。
●新しい価値観に触れられる。
っていうテーマを提示する方法の柔らかさ。
変人として扱ってもいいし、
共感してくれてもいいし、
感動してくれてもいいってスタンス。

この映画は
ちょっと色々と危険かなぁと思いました。
何も感じずに生きていけるってことの方が、
楽な場合もあると思う。

ありがとうございました。
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