やや

ソウルフル・ワールドのややのネタバレレビュー・内容・結末

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

こんなに大人向けな作品もあるんだ。

現実世界はジャズ、ソウル世界は電子音(モノクロ基調の世界観も含めて音ゲーのグルーヴコースターを思い出した)と世界観がハッキリ分かれていて良かった。

良くも悪くも『今っぽい』映画だと思った。
作品単体として見れば良いだけなのに、ディズニー自体がもう全てこういう思考なのかも、と少し不安にもなった。
目的がハッキリしていて成功やハッピーエンドこそが全て、という古いディズニー映画を好んで観てきたので、例えばもしリトルマーメイドが今作られたら「海の中にも家族や素敵な世界がある!」とアリエルは地上にあがらなかったのでは?とか、たくましく強いシンデレラがささやかな幸せを見つけて王子は関係なく生きていくのでは?なんて。考えすぎかな。

たしかに晴れの日や木漏れ日や美味しい食べ物に幸せを感じるのも大事。
でも、人生の目的を持つことは素敵だし、成功したことや、その後の毎日を後悔なく生きることは何より素晴らしいと思う。
といっても、この作品は成功者へ向けてではなく『何者にもなれなかった人』や『ここが海ではなく水だと思っている人』『きらめきが見つからない人』へのメッセージなのかな。

私は病気がきっかけで日常のちょっとした事で幸せを感じるようになった。
だからこの作品が言わんとすることは「うんうん、そうだよね」くらいに思っていたのだけど、ソウルフルワールドが初めて日常にきらめきを感じるきっかけになる人もたくさんいるのだろうな。

と、色々と批判に受け取られそうな事を言ってるけど、面白かったし良い作品だと思う。良い言葉がたくさんあり、クスッと笑える箇所もあった。
ただ、観終わってしばらく経っても考え込んでしまう。なんと言えばいいのかわからない。言葉がうまく出ない。これほど感想に困ったのは初めてで…スッキリしない文章になってしまった。笑

また人生に迷ったら観ようと思う。
やや

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