しゅんまつもと

最初の晩餐のしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

最初の晩餐(2019年製作の映画)
3.6
「目玉焼き」の卵にはじまり、赤味噌/白味噌の味噌汁、ツナの種を包む餃子、ラーメンの紅生姜、すき焼きのラー油、フード演出は見事である。脈々と連なる日本映画としての「家族」の描き方も多少古臭くはあるが良い。加えて、時折挟まれる一枚絵のショットが素晴らしいし、人物を遠目から俯瞰で捉えるカメラワークも思わずため息が出るくらいに良かった。森七菜と楽駆がバス停から坂道を登るシーンとか。しかしまぁ森七菜のスクリーン支配力は凄まじい。回想パートはほぼ森七菜で保ってると言っても過言ではない。

それだけ映像と語り口に十分な力があるのだからありがちな音楽やナレーションはもっと抑えてほしかった。ここでかなり小さくまとまってしまっているというか損してるような気がする。どうしたって「初の長編映画としては」という文句が外せないのが残念でもある。