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死刑台のエレベーターのクリームのレビュー・感想・評価

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)
3.8
どんなに美男美女でも“je t'aime”リピートはキツい。あれは要らないけど、スムーズに展開し、スマートに伏線回収されて行くのが心地良かったです。突っ込みどころは、多々あるけど面白かったです。

元大尉ジュリアンと、社長夫人フロランスは不倫関係で、彼等はフロランスの夫を自殺に見せかけ殺害する。アリバイを作り、完璧に殺害したが、手すりに証拠となるロープを引っ掻けたままな事に気付いたジュリアンは、車のキーをつけたまま、ロープの回収に向かうのですが…。



ネタバレ↓



エレベーターが途中で止まり閉じ込められたジュリアン。
その間に花屋のベロニクと恋人で前科者のルイは、ジュリアンの車を盗み走り去ります。
待ち合わせ場所で、フロランスは走り去るジュリアンの車と、助手席のベロニクを目撃し、夫殺害に失敗し、浮気相手のベロニクと逃げ出したと誤解しますが、彼を探し続けます。
ルイとベロニクは、ダッシュボードから小型カメラと銃を見つける。
ルイはベンカー夫妻の乗るベンツと競り合い、ルイの運転の腕に感心したベンカー氏が、2人を自分達が泊まるモーテルへ招待します。ベロニクは、小型カメラでルイやベンカー夫妻との写真を撮り、モーテル内で現像に出します。
ルイは、ベンツを盗もうとして、ベンカーに見つかり彼を銃で撃ち殺し逃走し、ベロニクのアパートに戻り、睡眠薬を飲み自殺しようとします。
フロランスは、ベンカー夫妻殺害事件を担当する警部から、ジュリアンが殺人容疑をかけられている事を知ります。
朝に電源が入るとジュリアン脱出。フロランスと待ち合わせ場所へ向かいます。夫が自殺したと連絡を受けたフロランスは、ジュリアンが計画を遂行していたと知ります。花屋の主人からベロニクの住所を聞き訪ねると自殺未遂の2人を見つける。フロランスは、公衆電話から警察にルイとベロニクを通報した。
ルイは、証拠となるネガを回収する為、バイクでモーテルへ向かいます。それをフロランスは車で追う。
写真は既に現像され、先回りしていた警察にルイは逮捕された。ネガには、親しげなジュリアンとフロランスが写った写真も多数あり、ジュリアンとフロランスの関係を確信した警察は、フロランスを夫殺害の容疑で逮捕した。

全員が意図しない方向へ、それぞれ展開して行きます。そして、罠に引っ掛かる様に綺麗に逮捕され、流れる様な展開の作り込まれたストーリーが見事でした。間抜け過ぎる行動にご都合主義を感じつつもあまりに鮮やかな展開なので、ラストは気持ち良くフィニッシュでした。ジュリアンとフロランスの笑顔の写真が浮かび上がるシーンは、良かったです。
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