Busceo

アルプススタンドのはしの方のBusceoのレビュー・感想・評価

3.6
リアリティ警察どころかリアリティゲシュタポなので、「1回戦から応援なんてさー」みたいなセリフに当然地区大会1回戦を指していると思っていたら「甲子園に来たのにホテルで補習」とか「甲子園遠いね!ようやく着いたよ」みたいなセリフと文言があり、いやいやそんなバカなさすがにここまで甲子園には見えない球場を甲子園とは言わんだろいずれ地区大会だっていうことを示すセリフなり表示があるはず…とそこばかり気にしてしまい、風が吹くだけでも「甲子園なら浜風だから方角的に…」とか考えてしまった。

他にも県立高校とはいえ投手一人のチーム編成しないよね?とか4点ビハインドの8回裏、代打を出して送りバントさせるだろうか?いや敗色濃厚なら記念出場みたいのは良くあるか…とか雑念に苛まれてしまった。

以上ここまでメガネをクイッとやりながらの超早口でした。

それぞれが抱えるそれぞれの想いを、野球の応援という桐島的媒介を通して描く青春映画なんだが、そういう雑念で没入しきれなかったし、どう見ても真ん中ではない子に「真ん中には真ん中の辛さが」みたいなありきたりな苦悩を叫ばせてしまうのは(実際どうかではなく本人がどう思ってるか問題だからケチつけるとこではないし、「はしの方」に対する真ん中なのかもしれないがそれならそれで)「えー」と思ってしまった。あとはそういうそれぞれの思春期的葛藤が、「熱い想いこそが大事!声出してこーぜ!!」みたいなとこに収束しちゃうのも、そういう根性論が問題とされている高校野球を使っているからこそ残念だったなあ。

あと序盤、録音・ミックスの関係なのかスクリーンの音響の問題なのか、はたまたモスキート音的な俺の加齢問題なのかわからんがセリフがうまく聞き取れなくて困った。

と引っかかるところは山ほどあるんだが、なんとなく熱さを感じたりしそうなところはあったし、ブラスバンド部の声の低い子は何度も引き合いに出して申し訳ないが)桐島の松岡茉優みたいないやーな感じで良かった。

そして個人的には「あー野球見に行きてえな」となりました。野球ってあんな複雑なルールなのに「わかって当たり前」みたいになってんのかなり変だよな。そりゃタッチアップなんて普通わかんないよね。
Busceo

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