あおい

サヨナラまでの30分のあおいのレビュー・感想・評価

サヨナラまでの30分(2020年製作の映画)
3.3
囚われの歌声が、天に還る時…

真剣佑と北村匠海が贈る青春音楽映画。
やっぱり歌手デビューしてるだけあって北村匠海は歌が上手いし、真剣佑の声音もかなり良かった。

屋内でのライブじゃなくて、フェスみたいな開放感のあるステージシーンが清々しい。しかも、テーマが重く、若者たちの単なる青春模様を見せられるだけの作品とは一味違った。

カセットが再生される時間だけ、死んだはずの歌手の魂が乗り移るっていう、ファンタジーな設定ですが、実態は無いってのがこの映画のミソ。

体を貸してるだけのハズの主人公が、段々とアキに近づいていき、まわりもアキだと認識し始めるあたりは、なんとも切ない。

体を貸す方、貸してもらう方の双方の悩みが描かれていて、決してアキだけが図々しいオバケなんかじゃないんですよね。

絶対今までの自分じゃ振る舞えないような行動を取ったり、キャラになったりすることで、逆に見えて来る「自分らしさ」。
生きてるんやからこそ出来ることの大切さを感じれます。

今をときめく俳優たちが出てる青春モノではありますが、よくある頭の悪い感じの映画てはなく、大人も感動できる作品でした。
あおい

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