秀ポン

映画ドラえもん のび太の新恐竜の秀ポンのレビュー・感想・評価

1.8
障害は甘え!!仲間はずれにされるのも甘え!!全てはお前の頑張り次第!!!おら!頑張りが足りてねえぞァ!!!
って感じのマッチョな映画だった。ベンチャー社長とかはこの映画好きそう(偏見)。

そして手がかからないが故に愛を注いでもらえないミュウに涙。彼女は「羽があるのに飛べない」というキュウの個性を際立たせるためだけに生まれてきた。

のび太がタイムパトロールに捕縛されるシーンは、近しい誰かの命を守るために運命を捻じ曲げることの是非、みたいな問いが見えて面白かった。でも、のび太とノビサウルス達だけはそういう倫理的問題の例外であることが謎のひみつ道具「チェックカード」で判明して、なんか問いそのものが無効化されていた。よかったよかった。

いや、なんも良くねーよ。
ラジカルな結論を出すことに怯えて問いを撤回するのは誠実な態度なのか?新鉄人兵団でのエグすぎる歴史改変攻撃を見習って欲しい。

キュウ達とのお別れのシーンも、爽やかにお別れするためにキュウ達の物分かりが良くなっていて、嫌な恣意を感じた。
しっかり正対してお別れをする今作は、のび太がピー助に背を向け、無様にタイムマシンによじ登った「のび太の恐竜2006」には遠く及んでいない。

帰宅シーンを飛ばしてのび太の逆上がりで締めるラストも気に入らなかった。のび太の両親(特に母親)はもう画面に出てこない。この映画は自分と相手の関係性を描く子育ての映画じゃなくて、自分だけが存在する逆上がりの映画だ。ここには自己成長しか無い。
なんかベンチャー社長が好きそうな映画だった(偏見)。



とまあ話の内容は良くわからなかったけど、感動的な映像に合わせて感動的な音楽が流れたので感動しました。ぼくものび太みたいに逆上がりをがんばりたいです。

・6600万年前に行ってからキュウの同族に会うまでの30分間はマジで虚無だった。
・ピー助を出してこっちを懐柔しようとしやがって。その手には乗らねーからな!!!
秀ポン

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