Tully

ゾンビ津波のTullyのネタバレレビュー・内容・結末

ゾンビ津波(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

地震もないのに大津波が発生、なぜか大量のゾンビが津波に乗ってやってくる。設定だけものすごく良く言えば、伊藤潤二の不条理ホラー感ある。だが皆様ご想像のとおりその一発ネタだけの出落ち映画であって、以降はただのよくあるB級ゾンビ映画になる。ただB級魂というか、どうせ低予算の時間潰し作と開き直って出し惜しみしないのが、本作の美点。次から次へとはらはらポイントを作っている。普通これやると緩急のないクソ映画になるんだが、主要登場人物をバラけさせてそれぞれの戦いを描くことで、その罠に嵌まらずに済んでいる。タイトルから想像するほどZ級ではなく、演出や編集はそこそこいい。まあゾンビのメイクとか激安CGとかの特殊効果は、もう少し金掛けてほしかったが。どう見ても学園祭の余興ゾンビレベルというね。頑丈な扉と言い張るボール紙破って顔出すゾンビとか、ダイソーで作ったこのシーンの製作費、三百円くらいだろ。しかも津波がまたきて大笑い。津波が町を飲み込むシーンは予算の関係か全くなく、巨大津波なのに被害は海岸線にごみ撒いたくらいという。「もっと早くに町を出てれば、安全な港にいられたのに」ってしんみりしてるが、港なら仮にゾンビなし津波ですら全滅必至だろうになー。ゾンビは死体じゃなく悪徳製薬会社の人体実験被験者だったって話になるんだが、ならどうして海底で何十年も生きてたのかとか、どうして噛まれると自分もゾンビになるのかとか、どう見ても動脈食い破られて大量出血してるのに死なないのかとか、まったく説明になってないのがご愛嬌。普通にブードゥーのゾンビにしとけば、非科学的だろうが「そういう超自然現象だから」で済むのにな。ゾンビを百歩譲ったとしても、そもそも津波はどうして起きたのか、結局最後まで語られないというね。まあそれやこれやツッコミながら観れば楽しい。ニコニコでコメント見ながら楽しみたい一本。
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