初めて見る中国映画。仲良くさせて頂いているフォロイーさんが高得点のレビューを上げられて以来、ずっと気になっていました。
中国でのいじめ問題、受験問題・学歴社会、貧困問題がテーマ。実話のようです。
非常に重い作品で、見ていて辛くなってきました。感情が揺さぶられ過ぎてしんどい。でも、いじめ問題を扱った映画なので、辛い気持ちになるように意図して作られているのだと思います。中国のお話とは言え、特にいじめ問題は万国共通でしょう。
初めて中国映画を見たので当然俳優さんのことも全く知らないのですが、主人公のチェン・ニェンを演じたチョウ・ドンユイさんが素晴らしかった。大半はあまり表情がありません。貧困家庭に育ったこと、いじめのこと、受験へのプレッシャー、そのような状況から感情を押し殺しながらも必死に生きてきたのではないかと、彼女の人生を想像させられるかのような演技力でした。
その無表情の中に見せるわずかな表情の違いで、表面には現れない心の機微や繊細な心が伝わってきました。そして、終盤に見せる笑顔。こんな場面で笑顔なのか、と思うと心が苦しくなります。でも、彼女にとって救われたと感じたのか。
重いテーマですが、独特のカメラワークのせいか美しくてアートっぽい雰囲気もあり、冒頭のフォロイーさんをはじめ、多くの方が高スコアを付けていることに納得の秀作でした。