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俺ら東京さ行ぐだのtackyのレビュー・感想・評価

俺ら東京さ行ぐだ(1985年製作の映画)
2.8
青森の五所川原から、東京へ出てきてカメラマン助手をしている息子を連れ戻しに、両親が東京に2泊して帰って行くだけの話。

それ以上でも以下でもなく、特に何も起こらず、ラスト息子は彼女と未来に希望を持ち東京に残り、両親は青年の未来が開けるのを願って青森に帰る。

「俺ら、東京さ行ぐだ」の曲自体、田舎自虐ネタなので、今日のコンプライアンス的にはダメだろうが、出てくる職場のパワハラや意地悪な先輩も、全然可愛らしいもので、ユルい物語と出てくる俳優も全員ユルい人々で、只々新年からユルい世界に浸っていて、コレはこれで心地良かった。

特に植木等と林美智子の老夫婦が、ユルいキャラの極みで、息子のアパートの隣りや、会社までに挨拶して手土産を渡すし、酒好きで正義感満載の父親と、病弱でおっとりした母親の、夫婦漫才を観るような掛け合いが、とても微笑ましかった。

この当時のヒット曲にあやかって、即作られたプログラム・ピクチャーなんだが、何と吉幾三の歌の映画化は二本目らしく(一本目は、「俺れは上野のプレスリー」)、この当時の松竹の苦しいお家事情があらわれているのが面白い。

しかし、吉幾三のラップ?も凄いが、田舎自虐ソングライターキャラだった人が、いつのまにか大物演歌歌手になっちゃったのは「酒よ」あたりからか。

最後に距離を置いてる息子に代わって、彼女の柏原芳恵が代わりに両親の東京見物に付き合う所は、「東京物語」を彷彿とさせるというのは、ちと拡大解釈しすぎかな?
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