なちゅん

イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたりのなちゅんのレビュー・感想・評価

4.3
Sky lies open.
素晴らしかった。恐ろしく美しい映画だった。
映画館を出た時に思わず空を見上げた。ずっとずっと見つめていたくなった。

周囲の制止も嘲笑も跳ね返して、1人の気球乗りと1人の気象学者は空に挑んだ。誰も到達し得なかった上空1万メートルで命を賭けて信念を追求した。1人は自身にもたらされた全てに意味があったのだと自分へ証明するために。1人は自身の信じる研究が正しいと証明するために。
無謀と勇敢はいつも隣り合わせで、例えば生きて帰るかどうかでその間の針は簡単に振れる。

序盤のアメリアの曲芸師的なパフォーマンスはジェームズをかなり苛立たせるし、その気持ちもわからないでもないけど、彼女にはどうやら恐怖が巣食っているらしい。そして余裕ぶった科学者ジェームズには余程の焦りがあるらしい。俯瞰的ではない、同乗者のような目線のカメラワークから、そんな2人の心の動きがこちら側にも伝わってくる。
美しい映像も、奥行きのある音響も、2人の表情や息遣いにもリアリティがあって、自分も空高く旅をした気分。
同時に、2人に降りかかる脅威に何度も息を飲んで、最後まで気が抜けない。

フェリシティ・ジョーンズも素敵だったけど、やっぱりエディ。近年ニュートが定着しすぎてて、決してそれは悪いことじゃないんだけど、やっぱり彼は本当に凄い人だよ。
そして私はどうしても19世紀イギリスのファッションや空気感が好きだ。
なちゅん

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