叡福寺清子

FREAKS フリークス 能力者たちの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

3.3
異能力者迫害系.最後の余韻はブライトバーンで感嘆のため息をつきました.
物語の範囲を能力者家族とその周辺に限定し,かつ隠遁しているあばら家がメインの舞台のため,お金がかかっていない感はあるんだけど安っぽさはないという意味で素晴らしかったです.しかも,クロエと父親の会話はどこの父娘でも交わされる心配事(程度はともかく)のあれこれなので,大変わかりやすい物語になっています.そこに強めの香辛料としてクロエの母親救出計画が俎上にのり,物語が大きく動き出します.
クロエの人間ホログラム製造機能力というか人間AR再生機能力もまた素晴らしい.メイン舞台のあばら家があっという間に距離の離れた牢屋・・・みたく,いながらにして舞台は世界規模になるのだから.
ただし,クロエ一家の異能力規模と物語の規模が合っていません.クロエ本人はもちろん御両親もAKIRA君級の能力じゃんとツッコむところで,その点だけはフワっとした気持ちになりました.かーちゃんのバーサクっぷりは軽く感動です.
105分.ちょっと長いかと心配になりましたが,ダレ無しアップテンポな物語で2020年未体験ゾーンのラインナップの中では強くお勧めできる作品でございました.