滝井椎野

ソー:ラブ&サンダーの滝井椎野のレビュー・感想・評価

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)
4.1
最初にタイトルをみたとき、何とも頭の悪いサブタイトルだな……なんて思ってしまったことを謝罪させてほしい。本編を観ると、まさにタイトルそのもの、最初から最後までLOVE!でTHUNDER!!な作品だった。
ソーのシリーズは最初の2作、あまり面白さを感じられずにいたのが正直なところで、MCUの中ではあまり期待をしていなかったのだが、これが3作目になり一変した。タイカ・ワイティティの力なのか、ソーというキャラクターにこちらが馴れたからなのかは分からないが、ポスターはカラフルになり、作品はパワフルになった。ロックンロールと絶妙な笑いで、良い意味で馬鹿な作品になったように思う。
本作もまさにそんな作品で、終始楽しく作品を観れた。この「楽しく」というのがキモで、シリーズを追いかけてる人間なら分かると思うが、このソーというキャラクターが中々に悲惨。あまりにも多くのものを失ってきたキャラクターなのだが、本作も例に漏れない。それなのに、観終わった後で気分が沈まない。これが何気に凄いことだと思う。バトルシーンは音楽も相まって激アツ、ギャグも少ししつこいぐらいなのが良い。山羊の鳴き声だけであんなにも強引に笑いを取りに来るのは逆に好感が持てる。ラブロマンスは涙を誘い、子供たちとの触れ合いでソーの王としての器のデカさをこれでもかとみせられた。こんなにもてんこ盛りな映画が面白くない訳がない。
何と言っても、最後の締めくくり方が素晴らしい。今後の、彼らラブ&サンダーの活躍が楽しみである。
滝井椎野

滝井椎野