滝井椎野

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーの滝井椎野のレビュー・感想・評価

4.1
シュリ達ワカンダの国民がティ・チャラ王に、我々観客がチャドウィック・ボーズマンに別れを告げるための作品。

シュリが年相応に悩みと後悔を抱えたキャラとして描かれていたのが良かった。そんなシュリが、最後には王としての意志を継ぎ、しっかりと兄との別れを悲しむことができた。ここに落ち着くための展開がかなり丁寧に描かれており、研究室に籠もっている描写や、キルモンガーとの邂逅等、丁寧に展開が積み上げられていくのを感じられた。観る前はえらく上映時間が長いなと思ったが、なるほど必要な訳である。

シュリとリリの関係性も実に良く、所々でトニーやピーター等のキャラクター達を彷彿とさせるやり取りや描写があるが、二人ともその天才ぶりが遺憾なく発揮されていて良かった。今後も楽しみな組み合わせである。

かなり焦らされはしたが、最後の最後でのワカンダフォーエバーはやはり込み上げるものがあった。
ワカンダの孤立やネイモアの一企みありそうな最後、他作品での作中の世界情勢なんかも含めてなかなかに不安定で心配になるが、今後のシリーズも楽しみ。
滝井椎野

滝井椎野