このレビューはネタバレを含みます
チャドウィック・ボーズマンの逝去は残念です。彼の亡き後のこのシリーズが、果たしてどんな再スタートを切るのかは大きな注目だったし、感動を売りにした「追悼作品」を期待する声も大きかっただろうと思います。
そういう意味では思っていたよりも湿っぽすぎないバランスに仕上げていて驚きました。
とはいえ、やはり俳優の死とキャラクターの死に触れずにはいられないわけで、そこに多少のモヤモヤがあるのも否定できません。
ただ、避けられない方向転換を経て、女性たちの物語として大きく動き始めたところに作り手たちのアイデアの結集や俳優陣の覚悟が透けて見えたような気がして、思わずグッとくるものがありました。
特にキャラクターとしても女優としても重圧を一手に引き受けることとなったレティーシャ・ライトの未熟さを跳ね返すような気力に胸打たれたし、そんな彼女だからこそ、ラストの涙は嫌な印象を受けずに観ることができました。